栄養の大切さ

こころは脳にあると言われています。脳が活動するためには、エネルギーが必要です。
そのエネルギー源は、食事で得られる栄養素です。だから食事は大切なのです。

脳がエネルギー不足で正しく活動できない為に、精神疾患発症の一因になっている方は結構多いのです。

血液検査で「血糖値」を測ることがあると思います。
「血糖値」は糖尿病になると高い値を示すことで知られていると思います。
この「血糖値」とは、血液中に含まれるぶどう糖の濃度のことを示しています。
実はこの、ぶどう糖が脳のエネルギー源なのです。

脳は常に休むことなく活動しているので、血液中には常にある程度のぶどう糖が必要なのです。

血液中のぶどう糖の元は、食事で得られる栄養素です。
栄養素には3大栄養素と言われている。
糖質(甘い物、ごはん、小麦)、脂質、たんぱく質(肉、魚、卵)があります。
ぶどう糖というぐらいだから、糖質?と思われる方も多いと思いますが
人間の体には、糖質だけではなく、脂質、たんぱく質からもぶどう糖を作り出す機能があります。
もちろん、糖質が一番ぶどう糖を作るのには適しています。
ということは、糖質だけを食べていれば大丈夫?
エネルギー不足にはならいかというとそうではありません。

ぶどう糖をエネルギーに変えるためにはビタミンB群、ビタミンCが必要になります。
鉄、マグネシウム、マンガン等のミネラルも必要になります。

ぶどう糖があっても、ビタミン、ミネラルが不足すると、エネルギー不足になってしまうのです。
ビタミンB群、ミネラル類は、肉、魚、卵等のたんぱく質食品に多く含まれます。
ビタミンC摂取のためには、野菜や果物も必要です。
つまり、糖質だけ食べているとダメだということです。バランス良く食べることが必要です。

私の経験上、精神疾患になっている方が脳のエネルギー不足にならないために
特に気をつけないといけない事は以下の3点だと思っています。


ビタミンB群、ビタミンCの不足

ストレスがあると、体はそれに対処するために、多くのホルモンを作ります。
ホルモンを作るには栄養素が必要です。
特に、ビタミンB群、ビタミンCはストレスに対抗するホルモンを作るのに欠かせない栄養素です。
不足しないように確保することが必要です。

ビタミンB群は植物性の食品には、あまり含まれていません。動物性の食品に多く含まれています。
動物性の食品を摂取が少ないと不足する可能性が大きいです。

ビタミンCは動物性の食品にはほとんど含まれていません。植物性の食品に多く含まれています。
植物性の食品を摂取しないと不足する可能性が大きいです。

ビタミン類は壊れやすいのがその特徴で、食品の保存期間が長ければ長いほど栄養素は無くなってしまいます。
現代人は、取れたての食品を摂取することは難しい状況なので、常にビタミン不足の可能性にさらされています。
ビタミン不足にならないようにするためには、なるべく新鮮な食品を摂取することが大切です。

ビタミン不足で精神疾患になってしまう可能性が最も高いのは、スーパーで食材から買ってきて料理しない食事を取ってしまう生活をしている人です。インスタント食品、レトルト食品からビタミンを摂取することは不可能な状況です。外食産業では、ほとんどがコスト削減のために、水煮野菜を用いています。水煮野菜には、ビタミン、ミネラルがほとんどなくなっています。
見た目は同じ野菜でも、栄養素が全然違うということを認識しておいた方が良いです。

精神疾患を改善させるためには、食材から買ってきて、それを新鮮なうちに料理して食べる必要があります。
植物性、動物性の食品をバランスよく取る必要があります。

糖質の摂りすぎ

外食、コンビニで買うものには、味を良くするために、砂糖が使われています。砂糖は少量でも血糖値を急上昇させます。急上昇した、血糖値は急降下することは良く知られていて、低血糖症と呼ばれています。

脳が栄養不足になってしまうことは、精神に対しては重大な影響をもらたします。この血糖の急降下は食後2〜4時間後に起こることが多く、その時間帯に集中力、やる気の低下、不安、恐怖の増大、錯乱、暴力、うつ、幻覚、幻聴などさまざまな精神症状の原因になっていることがあります。

砂糖を日常的に摂取していると、糖質を多く取り過ぎるだけで、低血糖になる体になってしまいます。コンビニ、外食産業などでは、できるだけ安い食材でお腹一杯にさせるため、糖質がかなり多い状態になっています。米、小麦の割合が多いのです。それを食べ続けることは、低血糖になり易い体を作っているようなものです。
大切なことは、低血糖になり易い体質を変える必要があるということです。
しばらく、完全に砂糖抜きの生活をすると、あきらかに体調と精神症状をの改善が見込めます。
私の経験では、砂糖抜きの生活をすることで、精神症状に何らかの改善ない人は、めったにいないぐらいです。

砂糖抜きの生活をするた為には、自分で料理したものを食べる習慣が必要です。

鉄分の不足

鉄分が不足してしまうと貧血になることが良く知られています。
貧血になると、酸素の運搬量が減少してしまいます。
ぶどう糖は酸素で燃やすことによって多くのエネルギーに変わるのですが、酸素が不足
すると効率よく燃やせないのでエネルギー不足の原因になります。
はっきりとした貧血ではなくとも、血液検査などでは見つからない、潜在性鉄欠乏
の状態でも脳のエネルギー産生に与える影響は大きいです。
ぶどう糖がエネルギーになるときに最終的な鍵を握っているミネラルが鉄だからです。
貧血になっていない状態でも、鉄がないと、ぶどう糖を効率的にエネルギーにすることができません。

潜在性鉄欠乏なのに精神疾患と診断されている人は非常に多いです。
その原因は血液検査では発見できないこと
精神科、心療内科のドクターが貧血を重要視していないことが挙げられると思います。

潜在性鉄欠乏を医療機関で治療して、精神疾患が良くなる人をたくさん見て来ました。
精神疾患の方の潜在性鉄欠乏を改善することは、効果絶大です。
もし、潜在性鉄欠乏であるならば、必ず、医師の指導の元に改善を試みることをお勧めします。


たんぱく質の摂取に気を付けて、食材から調理して食べることが大切

以上のことを考慮すると、ポイントは、食材から買ってきて、新鮮なうちに調理して食べることが必要です。
植物性、動物性の食品をバランスよく摂取する必要があります。

一番不足しがちな栄養素は、動物性たんぱく質です。逆に言えば、動物性たんぱく質の摂取に気を付けると食事のバランスは飛躍的に良くなります。
動物性たんぱく質は、ビタミンB群や鉄などのミネラルが豊富ですので、脳を正しく機能させるためには必要不可欠な食材です。
特に潜在性鉄欠乏になっている場合には、動物性たんぱく質の食品を多く取るようにしましょう。

1日に摂取するたんぱく質の目安は、体重の100分の1と言われています。
食品成分表を見て不足がないかどうか確認してください。
たんぱく質は、一般的な、日本人の食事では必ず不足しています。
こんなに取らないといけないのかと思うぐらい取ったらちょうど良いぐらいが普通です。