ビタミンB12と葉酸

ビタミンB12と葉酸はセットになって働きます。
 たんぱく質の合成、DNAの合成、中枢神経機能の維持
 正常の赤血球を作るなどの働きがあります。
 不足時に出る症状としては、悪性貧血があります。
 血液検査ではMCVが大きくなることが特徴です。


ビタミンB12
 神経細胞の成長とその維持に重要な成分
 不足するとうつ状態、疲労、不眠を起こす。
 極端に不足すると、記憶障害、幻想、妄想をも引き起こす。
 体内時計を整える働きがあります。


葉酸
 ビタミンB12とセットになって働く
 不足するとうつ病、疲労感、不眠、イライラ、無気力の症状がでる。
 抗うつ剤の効果を高める働きがあることが分かっています。


ホモシステインと精神疾患の関係
 ホモシステインは必須アミノ酸の一つのメチオニンの不完全な代謝で
 作られる生成物です。
 ホモシステインは、活性酸素を発生させます。体には有害で動脈硬化
 やあらゆる身体的疾患の原因にもなっています。

 正常な代謝が行われていれば、メチオニンはホモシステインに代謝されても
 また、メチオニンに戻されたり、有害ではないシステインに代謝されます。
 正常な代謝が行われなければ、ホモシステインが体に溜まってしまうことになります。

 メチオニンの正常な代謝のためには、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸が
 深く関与しています。

 血液中のホモシステイン濃度と精神疾患には深い関係があります。
 ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸のいずれかが不足しても精神疾患を発症する
 可能性があります。また、遺伝的にメチオニンの代謝に問題がある人がいます。
 遺伝的にメチオニンの代謝に問題がある人は、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸
 を十分に補ってやる必要があります。


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ビタミンB12
 牛レバー、鶏レバー、牡蠣、秋刀魚、アサリ、シジミなどに豊富です。
 特に、重要なのは、動物性の食品にしか含まれないということです。
 ビタミンB12は体には絶対必要なビタミンですので肉や魚を食べないと
 いけない理由がここにもあります。
 吸収のためには、胃から分泌される糖たんぱく質が必要になります。
 胃を切除した人、ピロリ菌保有者、胃潰瘍、萎縮性胃炎の人は吸収が悪くなり
 不足することがあります。

葉酸
 野菜に多く含まれます。
 ほうれん草、枝豆、モロヘイヤ、ブロッコリーに豊富です。
 妊婦での不足が問題になっています。
 妊娠初期において葉酸を十分に摂取していないと、胎児に神経管障害が発生します。
 大量の飲酒、アスピリン、ピルの服用で不足することがあります。


ビタミンB12、葉酸ともに、普通の食事をしていれば、不足することはありません。
しかし、うつ病の人の場合、不足していることがあります。

根本の原因は、肉を食べないこと、もしくはピロリ菌を保有していることによる
鉄吸収、ビタミンB12不足をはじめとするあらゆる栄養素の吸収不足です。

ピロリ菌の保有は精神疾患には良くありません。栄養素の吸収を悪くするためです。
この問題を、精神科、心療内科の医者は考慮してくれることはほとんどありません。
私たちの行っているクリニックでは、栄養状態が悪い場合
まず最初にピロリ菌の検査をされることが多いです。
ピノコもピロリ菌に感染していました。
感染率は意外に高い。
50歳以上ではほとんどの人が感染しています。
30歳代では感染率が減りますが20%ぐらいは感染しています。
感染源は水だそうです。井戸水、湧き水。海外での飲食
胃の不快感、萎縮性胃炎、胃がんの原因になっています。


妊婦の葉酸の不足は有名なので、サプリメントで補充している人も多いですが
ビタミンB12、葉酸はセットになって働くので、サプリメントで摂取するならば
ビタミンBコンプレックスで摂取した方がいいです。