自律神経と低血糖症

人間の体は60兆個の細胞からできています。
その細胞の主なエネルギー源はぶどう糖と中性脂肪です。
食べ物から摂った糖質は、体に吸収されて
ぶどう糖となり血液に乗って各細胞まで届けられます。
筋肉細胞などは、ぶどう糖をグリコーゲンとして蓄えることができます。
また中性脂肪をエネルギーに変えることもできます。
血液中のぶどう糖の濃度を血糖と言いますが
血糖が低下しても、エネルギー不足になることは少ないと考えれます。
しかし、脳細胞では通常、ぶどう糖のみをエネルギー源としています。
しかも蓄える仕組みがありません。
ですから常に血液中から安定したぶどう糖の供給を受ける必要があります。
人間の体には、低血糖にならないようにするため
血糖上昇ホルモンを分泌して血糖値を維持する仕組みが備わっています。
だから、ある程度、食事をしていなくても、低くなりすぎることはありません。

低血糖症とは、簡単に言えば、血糖値が下がりすぎて
いろいろな症状を出す状態を言います。
食事を摂取すれば、当然、血糖値が上昇します。
血糖値が上昇すればすい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンが各細胞に作用すると、各細胞ではぶどう糖を取り込み
エネルギー源とすることができます。
血液中のぶどう糖が細胞に取り込まれるので、血糖値が下がることになります。
では、なぜ血糖値が下がりすぎるのでしょうか?

原因としては2つ考えられます。



○インスリンが多すぎる。
インスリンが多すぎると、必要以上にぶどう糖が細胞に取り込まれて
低血糖を起こすことがあります。
インスリンの分泌は副交感神経支配になります。


○血糖上昇ホルモンの分泌が低下している。
血糖を上昇させる主なホルモンは、アドレナリンとコルチゾールです。
血糖が下がり始めると分泌されますが
分泌が少なければ、血糖値を維持できず低血糖になります。
血糖を上昇させるホルモンは、交感神経支配になります。



人間が活動しているときは、交感神経優位の状態にあります。
ストレスを受けるなどの交感神経過剰な生活をしていると
活動に備えて血糖上昇ホルモンが働き、血糖値を上昇させます。

過剰に交感神経が働いている場合は、副交感神経の働きが極端に抑えられます。
インスリンの分泌は副交感神経によって支配されているので、分泌が低下して
血糖値を下げることができなくなります。すなわち糖尿病になり易いのです。
実際に、交感神経過剰な生活をしている働きすぎの人
ストレスの多い人は糖尿病になり易い傾向にあります。

一方、休みすぎの生活をしている人は、副交感神経過剰となっています。
副交感神経過剰の生活をしていると交感神経の働きが抑えられます。
したがって、食事と食事の間で低血糖になるような状況があったとしても
血糖上昇ホルモンを分泌することができません。
したがって低血糖になってしまうことがあります。
さらに、副交感神経が優位に働いているので
インスリンの分泌が増える傾向にあります。
必要以上にインスリンが分泌されると
ぶどう糖が細胞に取り込まれすぎて低血糖になってしまうことがあります。
糖尿病の家系では、インスリン抵抗性が原因して
さらなるインスリン多量分泌が起こりやすくなるため、低血糖症になり易いです。

低血糖症の症状はさまざまです。
幻聴、幻覚、強烈な不安、恐怖、強迫、パニック発作などがありますが
交感神経が優位に働いているような緊張した場面では起こりずらいです。
それよりも、副交感神経が優位になっている
ほっとしている瞬間や考え事をしている瞬間、休憩している時に起こり易いです。

血糖値を激しく上昇させる砂糖のような食品を摂ると、血糖値を下げようとして
インスリンを慌てて出さなければならなくなります。
副交感神経優位の生活をしてると、インスリンの分泌量は多くなります。
インスリンが多く分泌された結果、低血糖になって症状を誘発してしまいます。

低血糖症の原因は砂糖のような単純糖質の摂りすぎだと言われていますが
悪化させる一要因でしかありません。
血糖値は自律神経によって厳格に管理されています。
したがって、原因は自律神経 の乱れにあると言えます。

副交感神経過剰になる休みすぎの生活は低血糖症体質を作っているようなものです。
確かに、砂糖のように血糖値を急激に変動させる食品はよくありません。
しかし、普通に食品として存在している複合炭水化物の摂取まで制限することは
あまり良いことではないと感じています。
自律神経の働きを知らないドクターには白米等の複合炭水化物を
必要以上に制限している方もいるようです。
ドクターは自律神経のことをよく知らないことが多いです。

なぜ知らないのか?理由は簡単です。
自律神経を改善させるお薬や外科的手段がないからです。

自律神経の状態を検査する方法もありませんでした。
だからドクターは自律神経を意識した治療ができないのです。

大半のお薬は、自律神経を乱すものでしかありません。
自律神経を無視した上に構築されているのが今の医療の現実です。

低血糖症を改善したければ、自律神経を整えることが一番大切です。