自律神経について

人間は古代より刻々と変化する環境の中に暮らしてきました。
地球の公転のため春夏秋冬の四季があり、地転のため昼と夜があります。
食べ物を得るために、エネルギーを使い狩りや農耕などの行動を起こさなければならないときがあります。
行動を起こしエネルギーを消費した後には、次の行動に備えるためエネルギーを蓄える時間も必要です。
生き延びるためには、外敵と戦わなければならないときがあります。
また時には戦わずして逃げることも必要です。
人間の体には、それぞれの時と場合において、体の状態をそれに合ったベストな状態
に保つたのの働きをしている神経があります。

この神経は通常は自分の意思ではコントロールできないので
自律神経と呼ばれています。

人間は長い間、自然環境に身をまかせ、太陽の動きに合わせて生活していました。
しかし、急速に発展した現代においては、人間の生活はものすごい勢いで変化してしまいました。
夜になっても明るい中で生活しています。空調によって外気温との温度差の激しい生活をしています。
食べ物を得るための行動は体を使ったものから、頭だけを使ったものへと変化しています。
食べ物は豊富にあります。外敵はいません。電化製品、エレベータ、エスカレータ等の人間を楽にさせるものに溢れ、筋肉を使う機会が減っています。

このような現代においては、自律神経に配慮した生活をしないと、自分の体をベストな状態に保つことが難しくなってきています。それ故に健康を害している人も多いと思います。
逆に言うと自律神経を意識すれば、健康になれるかもしれません。

自律神経は、自動操縦で、意思ではコントロールできませんが食生活や生活習慣を見直し
人間らしく暮らすことでゆるやかなコントロールが可能です。


自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり
それぞれがアクセルとブレーキの関係になって体をベストな状態に保っています。
どちらが、アクセルで、どちらがブレーキかは各組織や臓器によって異なります。


交感神経の特徴

・人間が活動できるように体の状態を整える
・やる気の上昇、血圧上昇、体温上昇
・エネルギーを消費する。
・食欲低下、消化機能低下、頭の回転を良くする
・ストレスに対抗し頑張るホルモンを分泌

副交感神経の特徴

・人間をリラックス状態にさせる
・エネルギーを蓄える。
・血圧低下、体温低下
・食欲増進、消化機能を活発にする
・やる気の減退、頭の回転を鈍くする。
 (眠りにつかせる)
・リラックスのホルモンを分泌する。
・幸福感を感じる。体を修復する。

交感神経過剰の症状

・心拍数上昇、エネルギー不足、胃腸障害
・組織破壊(がん、腫瘍)、冷え、血流障害
・過剰な不安、過剰な恐怖、過剰な緊張
・強迫を引き起こす
・高血糖、過労による疲労、拒食

副交感神経過剰の症状

・やる気低下、考えがまとまらない
・心拍数低下、肥満、うつ、慢性疲労
・低血糖、過食、アレルギー体質

自律神経とは

自律神経の本来の動きは、人間が太陽の動きに合わせて活動してきた関係上
朝〜夕方にかけては交感神経が
夕方〜朝にかけては副交感神経が活発になるようにできています。
交感神経は朝〜夕方にかけて行動することで活発にすることができます。
夕方を超えてからも活動していると交感神経が過剰になることがあります。
副交感神経は夕方〜朝にかけてリラックスすることで活発にすることができます。
昼になってもリラックスしていると副交感神経が過剰になることがあります。


交感神経優位な状態が続くと副交感神経優位に戻ろうとする力が働きます。
(この働きによって疲れを感じて眠ることができます。)

副交感神経優位な状態が続くと交感神経優位に戻ろうとする力が働きます。
(この働きによって眠りから目覚めやる気が出てきます。)

このように1日の中で交感神経優位な状態と副交感神経優位な状態は
いったりきたりします。

交感神経優位が強く働いた日は副交感神経優位に戻る力も強く働くので
副交感神経優位も強くなることが正常です。

交感神経優位が弱く働いた日は副交感神経優位に戻る力も弱く働くので
副交感神経優位も弱くなることが正常です。
(疲れた日は、睡眠が深くなってよく眠れる。休みの日は眠りが浅い。)

病気は、交感神経過剰で始まり、副交感神経過剰で慢性化していることが多いです。

1日の中で交感神経優位の状態、副交感神経優位の状態が半々ぐらいある状態が正常で
一番健康で居られる状態です。

交感神経優位の状態が続くと交感神経過剰の症状として
  心拍数上昇、エネルギー不足、胃腸障害
  組織破壊(がん、腫瘍)、冷え、血流障害
  過剰な不安、過剰な恐怖、過剰な緊張
  強迫を引き起こす
  高血糖、過労による疲労、拒食
  などの症状が出てきます。

交感神経過剰状態が続くと体の防衛反応から、副交感神経優位にしようとする力が
働きます。
(副交感神経優位に戻る力が蓄積されてしまうためです。)
そのため、ある日突然副交感神経過剰症状として
  やる気低下、考えがまとまらない
  心拍数低下、肥満、うつ、慢性疲労
  低血糖、過食、アレルギー体質
  などの症状が出てきます。

通常は、副交感神経優位な状態が続けば、エネルギーが蓄積されるので
2,3日〜2週間ぐらいでまた交感神経優位で元気な状態に戻ることができます。
問題なのは副交感神経優位な状態が続いても
交感神経優位な生活を送った時間が長い場合は
胃腸が障害されてエネルギーが蓄積できないことがあります。

またゆっくり休むことができない環境がある場合も同様にエネルギーを蓄積することができません。このようにエネルギーが蓄積できな場合、もしくは自ら望んで副交感神経優位の生活を続ける場合や医師の指導でストレスを避けた生活をしている場合は
副交感神経過剰症状から抜け出せないこともあります。

副交感神経優位にすることは、病気を治す上で重要なことですが
過剰にストレスを避けて生活をすることは、自律神経のバランスを崩してしまう結果になることがあります。
実際に自律神経のバランスを崩している人は、副交感神経過剰であることが多いです。

副交感神経過剰の状態が続くと
慢性化した症状として
  やる気低下、考えがまとまらない
  心拍数低下、肥満、うつ、慢性疲労
  低血糖、過食、アレルギー体質
  などの症状が出てきます。

副交感神経過剰状態が続くと体の防衛反応から、交感神経優位にしようとする力が
働きます。
(交感神経優位に戻る力が蓄積されてしまうためです。)
そのため、ある日突然交感神経過剰症状として
  心拍数上昇、エネルギー不足、胃腸障害
  組織破壊(がん、腫瘍)、冷え、血流障害
  過剰な不安、過剰な恐怖、過剰な緊張
  強迫を引き起こす
  高血糖、過労による疲労、拒食
  などの症状が出てきます。

交感神経優位に戻された場合は、元気になれますが、元気になってもそのエネルギーを
活かせない生活をしている場合は交感神経過剰となり、余ったエネルギーは
躁状態。過剰な不安、過剰な恐怖、過剰な緊張、強迫。パニック発作、拒食、高血糖、高血圧を引き起こすことがあります。
この症状は通常2,3日〜2週間ぐらい続いて、エネルギー不足に陥り
再び副交感神経優位な生活へと戻ることが多いです。

症状を正しく捕らえることが大切

症状が、交感神経過剰の生活を送っているために生じているものなのか
副交感神経過剰の生活を送っているために生じているものなのかを正しく判断することが大切です。
交感神経、副交感神経のどちらかが過剰になる生活をしている場合は
自律神経は乱れて同じ症状を出すからです。

うつ病、パニック障害などの症状は、確かに交感神経過剰で発症していることが多いです。
しかし慢性化したものでは、ストレスを避け副交感神経過剰になり易い生活習慣をしていることが多いです。
上記で述べたように、副交感神経過剰の生活をしていると、時折、体の防衛反応から
交感神経優位に戻る大きな力が働き交感神経過剰となることがあります。

その時には過剰な心拍数上昇、不安、過剰な恐怖、過剰な緊張、強迫
パニック発作等の症状に苦しむことになります。

副交感神経過剰の生活を続けることの最大のデメリットは筋力の低下をまねくことです。
筋力の低下は、低体温、低血圧、低血糖の根本原因になることがあります。
筋力がなければ、何をやってもだるい体になってしまいます。
低体温は酵素の活性を弱めて、栄養吸収不良の最大の要因となります。

抗うつ剤、抗不安剤、栄養療法による過剰なビタミン投与はすべて副交感神経優位に導く効果があります。
急性期の交感神経優位になっている状態では、その症状を緩和させてくれるので非常に便利ですがいつまでその生活を続けると、副交感神経過剰になってしまう可能性があります。

自律神経を正しく機能させるためには、栄養、運動、休養の
バランスを見直すことが大切です。